「地下鉄の運転士」と聞くと、どのような仕事を思い浮かべるでしょうか。
安全運行を支える責任ある仕事である一方で、勤務体系や働き方に不安を感じる方もいるかもしれません。
今回は、高速鉄道運輸職員として入局し、駅務員を3年間経験した後、現在は運転士として勤務する女性職員にインタビューしました。
運転士を目指したきっかけや、日々の業務、研修制度、職場の雰囲気について、実際の経験をもとに話を聞いています。
インタビューの中では、シフト勤務ならではの時間の使い方や、女性用設備の整備、育児と仕事を両立しながら働ける環境など、長く働くうえで感じていることについても語っていただきました。
地下鉄の仕事や公共交通に関心のある方に、働くイメージを少しでも身近に感じていただければと思います。
Interview
仙台市交通局の職員として
働こうと思ったきっかけを
教えてください。
きっかけは、バスの運転士をしている母の存在です。母の運転するバスに乗った際、生き生きと楽しそうに働く姿を見たのが原点です。
「運転士」というと男性の仕事というイメージが強かったのですが、女性もこんなに輝けるんだと知り、公共交通機関の運転士に興味を持ちました。
また、地元である仙台に貢献できる仕事がしたいと考えたことも、仙台市交通局を選んだ大きな理由です。
入局後のキャリアと、
現在の業務内容を教えてください。
入局後はまず駅務員として丸3年勤務し、その後、地下鉄運転士になって現在3年目になります。
駅務員時代は、窓口でのご案内や遺失物の対応、乗車券販売、券売機の締め作業(売上確認)などが主な業務でした。
現在は地下鉄運転士として、電車の立ち上げから出庫、そして本線での運転業務をメインに行っています。欠員が出た際などに乗務する「予備仕業」に入ることもあります。
地下鉄運転士の1日はどのような流れで進むのでしょうか?
出勤したらまずタイムカードを押し、「出勤点呼」を行います。心身状態の報告、アルコール検査を実施し、その日の乗務スケジュール(仕業表)や鍵を受け取ります。そして前日の遅延やトラブルなどの引き継ぎを受けます。その後、出勤時刻の20分後に「乗車点呼」を行い、これから運行する列車番号などに間違いがないか最終確認をしてから、実際の乗務に入ります。
1日のスケジュール
泊り勤務
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13:00出勤点呼
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13:20乗車点呼⇒運転業務
(南北線2往復/約2時間40分) -
16:00休憩(40分)
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16:40運転業務
(南北線2往復/約2時間40分) -
19:20食事休憩(50分)
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20:10運転業務
(南北線2往復/約2時間40分)
⇒運転後、車庫へ入庫 -
23:00入浴⇒仮眠 @車両基地
明番勤務※泊り勤務の翌日
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4:45起床 @車両基地
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5:05始業点呼
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5:30車庫から車両を出す
⇒始発~運転業務
(南北線2往復/約2時間30分) -
8:00休憩(40分)
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8:40運転業務
(南北線1往復/約1時間20分) -
10:00学習時間
(供覧資料の確認、マニュアル確認等) -
10:45退勤点呼
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10:55退勤
シフト制(サイクル勤務)での働き方はいかがですか?
サイクル勤務は毎日出勤時間が異なります。大まかな流れとしては、「3日間はその日のうちに帰れる日勤」で、「4日目・5日目は泊り勤務」その後「2日間公休」というサイクルを繰り返します。
泊り勤務の場合は午後(12時〜16時頃)に出勤し、終電まで乗務します。その後、仮眠時間を挟んで翌朝の始発から乗務し、お昼前に退勤するというスケジュールです。
最初は不規則な出勤時間に慣れるまで少し大変でしたが、慣れてくると自分の時間を確保しやすいメリットを感じています。午後出勤の日の午前中に銀行や平日しか開いていない場所に行けたり、朝が苦手な人はゆっくり起きられたりするので、働きやすい側面も大きいです。
また、乗務する時間帯によってお客様の層が変わるので、日々気持ちを切り替えて新鮮な気持ちで業務に取り組めるのも魅力です。
地下鉄運転士になるための
道のりについて教えてください。
運転士登用試験を経て、東京メトロへ9ヶ月ほど研修に行きました。自動車学校のようなイメージで、学科講習と実際の電車を使う実技講習を受けます。
人生で一番勉強したと言えるほど大変な期間でしたが、一緒に仙台から行った同期や、他社から集まった仲間たちと助け合いながら乗り越えました。
その時に一緒に講習を受けた仲間とは、今でも定期的に会って情報共有をしており、大きなモチベーションになっています。
職場の雰囲気や、
女性の働きやすさについては
いかがですか?
乗務中は基本的に一人ですが、休憩室の雰囲気はとても良く、先輩・後輩の分け隔てなく意見交換やプライベートの話ができるあたたかい環境です。
女性の働きやすさという点でも、近年は女性専用のシャワールームや仮眠室への改修工事が進んでおり、設備面でかなり過ごしやすくなっています。また、育休も取得しやすく、時短勤務制度も充実してきているため、将来結婚や出産を経ても長く安心して働ける環境が整っていると感じます。
日々の業務で「やりがい」を
感じるのはどんな時ですか?
お客様にとって当たり前である「安全で時間通りの運行」を自分が支えていると実感できたときに、大きなやりがいを感じます。仙台市民の皆様や、仙台市外からいらっしゃるお客様の生活を支えるという使命感を持っています。
また、南北線は沿線で様々なイベントがあります。運転席から、ユアテックスタジアムでのベガルタ仙台の試合や、花火大会に向かう楽しそうなお客様の姿を見ると、こちらまで嬉しい気持ちになります。